発売から3年経ったし、もうこの話題に触れても良いよね?
やんややんやとツイッター他で話題になってしまった、マッチング関連について書いてみたいと思います。
2017/7/21に発売され、ニンテンドースイッチを牽引してきた人気タイトルスプラトゥーン2。
私も色々言いつつ、今でもちょいちょい遊ぶくらいのファンです。
(最近ようやくXでやっていけるようになった程度の実力。。。)
ゲーム部分がとても面白いという評判の中、マッチング内容が非常に重要なこのゲームにおいて
ツイッター中心に「連勝連敗マッチング」「5割マッチング」「懲罰マッチング」などと呼ばれるマッチングの不満が多く挙がっていたことを、ご存知の方も多いかもしれません。
この記事はそういった不満にただ賛同して悪く言うものではなく、
実際の挙動とゲームの仕様から察するに、マッチングに意図的な操作は加えていると思うが、それ自体はゲームを作る上で悪とは言い切れない。
ただ
「納得感の無さから、ユーザーに“都合よく操作している”と思わせてしまったこと」
「バトルの反省をさせず、仲間を悪者にさせる作りだったこと」
「単純に極端過ぎたこと」
が問題だった。
というお話です。
恐らくライト層に向けたであろう作りが、結果メインユーザーから様々な反応を受けることとなってしまう。幅広い客層に向けて作るのは大変なんですね。
ゲームデザインを中心に担当してきたタイプの人間なので、他の方よりも色々思うところが出てきてしまい。。。ちょっとまとめることとしました。
ゲーム中の用語を用いるため、ゲームを遊んでいない方には理解しづらい可能性がございます。
全て補足していると記事が読みづらくなってしまうため、ご了承ください。
「連勝連敗マッチング」「5割マッチング」「懲罰マッチング」という文句
上記段落タイトルのような、負のイメージを感じさせる言い方は本来適切ではありませんが。。。
知らない方のために簡単に説明すると、「10を超えることもあるくらいの大きな連勝、連敗が交互に発生する(ような強さの偏ったマッチング)」という状況が結構起きていたんですね。
(アップデートで修正したのか、現在は多少良くなっています)
そういうこともあって
マッチングのチーム分けの時点で、“集まった8人の中で強い人を固めたチームとそれ以外を固めたチーム” を作っているのではないか。
連勝したらその分負けが続き、逆に連敗し続けたらその分楽に勝てる時期が続くのは、勝ち負けが前提に組まれたマッチングを利用しているからではないのか。
というような声が挙がってしまいました。プロゲーマーや有名配信者からもちょっと口にされるほどです。
4vs4という少人数の対戦であり、1人が手を抜いたりミスするだけで勝敗を左右することも多く、逆に一人だけ実力が抜けていても味方次第で負けてしまう。
チームの組み合わせが勝ちに大きく関わるゲーム性もあって、マッチングへの不満の声が挙がり続ける形となってしまいました。
マッチングは本当に弄っているのか?
手は加えるもの。それ自体は悪くない。
決めつけは良くないので言い方は気を付けようと思うのですが、対戦ゲームというのは何かしらの手を加えていることもあるわけです。
例えば、初心者ユーザーの離脱を避けるため「連敗が続いてモチベーションが無くなってしまわないよう、どこかで勝たせてあげよう」というサポートをゲーム側が行ったりもします。
上手くやっているゲームでは気付かれないことも多いですが、対戦ゲームで連敗しているユーザーには、ボーナスゲーム的な立ち位置のCPUとマッチングさせているタイトルも沢山あります。
ユーザーを気持ちよくさせるための嘘、というやつですね。
特にスプラトゥーンの場合はライトユーザーも多く、任天堂の方針としてもそういった層を大事にしたいところでしょう。
そういった点も、勝てるようなチーム編成など、手を加えているという可能性を感じる要素の一つです。
ただこのゲーム、CPU4体でチームを組むのも難しいゲーム性なので基本は対人間だと思うのですが、そうすると勝つ人間がいる分だけ負ける人間もいますからね。。。それが悲劇に繋がります。
ただ、予想通りだとして、バレないようにしてくれれば良かったんですよね。疑われる作りになっていたのが逆風になってしまいました。
ゲームを開発する上で、「内部処理をどのような構造にするか。仕様をどうするか。」と考えるのは大事ですが、それと同じくらい「この仕様はユーザーからどう見えるのか。どう受け取られるか。」を意識するのが非常に大事です。
イカ研(開発チーム)は、そこの考えが足りなかったのが失敗に繋がってしまいました。長期開発で見据えるべき相手も多いとなると、経験上難しいのは分かるんですけどね。
なぜ「マッチングを操作している」と思われてしまったのか
ここからは、冒頭で書いた部分を一つずつ解説していきます。
まずはマッチング。
色々と極端だった
まず最初に当たり前というかわかりやすいことを書いておくと
「これ勝てる気がしないぞ」「味方が強すぎて負ける気がしない」というような試合が発生してしまうこと、そして大きな連勝や連敗が頻発するというのがきっかけとして大きかったです。
それに付随した細かな要素たちを以降に書いていきます。
ウデマエゲージの存在
大き目の連勝と連敗はある程度意図的なのでは?という予測に繋がる要素が、スプラトゥーン2から追加された “ウデマエゲージ” です。
初代スプラトゥーンでは、勝敗に応じてポイントが増減するシンプルなレート制だったのが、2からはウデマエ帯を細かく分けて
その中で勝ちか負けを重ねることで変動するものになりました。
なぜこれが繋がるかというと、バランスの良い勝敗数と環境(個々のウデマエ)の変化を両立できるからです。
仮に開発チームが
「連敗している人は連勝できるように組んであげよう。連勝している人はその分チームを厳しくしよう」
というマッチングをスプラ2では考えていた場合。
前作と同じようなレート制ですと、数値が上がったり下がったりを繰り返すだけでウデマエにあまり変化が発生しません。(まぁやろうと思えば手はありますけど)
ですが2のようなウデマエゲージ制であれば、時折連敗や連勝を発生させることでウデマエの上下変動を発生させることができるのです。
ウデマエゲージの呪縛から解き放たれX帯で安定してくれば、レート制なのでちょっと負けてもストレスが溜まりにくくなります。
でもX帯って公式によると数パーセントしかいないんですよね確か。それは文句が大半になるわけです‥‥。
今この記事を見ている方は知らないかもしれませんが、X帯が出来る前、発売直後はS+帯がS+50まで存在しており
「カンストを目指してS+49まで上げていようが、一度でもゲージが割れるとS+0にリセット」
という闇のゲーム状態でした。
ガチパワーを見せない理由
あとはシンプルにこれなんですよね。
ガチパワーの数値でマッチングさせているにも関わらず、自分の現在のガチパワーは見ることが出来ない上、当然マッチング時には各参加者のガチパワーも表示されません。
そのせいで、余計に「格差のあるマッチングを行っているのでは」と疑われてしまっています。
フォローするのであれば、
- 表示やプレイヤーに伝える情報を限界までシンプルにしたかった
- たまたま両チームのパワーに差が出来た時、不満が生まれるのを避けたかった
というところでしょうか。ただ個人的には
- ガチパワーを表示する
- 同じウデマエでランダムにマッチングさせチームを組む
- 勝敗に応じて、自チームと相手チームのガチパワー値を参考にポイント増減を計算
- 計算の流れをわかりやすくプレイヤーに伝え、納得感を与える
というごく普通のやり方で、ある程度は納得してもらえるように出来たのではないかなと思ってしまいます。
味方はこのバトルでは上手く動けてなかったけど、ガチパワーは高かったんだよ。相手との値の差は〇〇だから、××変動するよ。という感じに。
じゃあなんで見せないのかと考えると、手の加えられたマッチングもあるのかなと思ってしまうわけです‥‥。
いやまぁ、繰り返すように、手を加えること自体は悪く言わないんですけど。そう思われてしまうようになってしまった要素の一つかなと。
というか連勝連敗は一旦置いておくとしても、一試合単位では明らかなチーム差が発生してしまうことは仕方ないわけなんですよね。
例えばS帯の場合、他のルールは全てXだけどそれだけSのままだったような人と、他のルールはA帯だけどたまたま一つのルールだけSまで上がれたって人がごちゃ混ぜになるんですから。
ナワバリバトルも、確か今でもごちゃ混ぜ闇鍋モードですよね。
で、そんなプレイヤーが入り乱れた試合によって「マッチングが不公平!平等じゃない!」という印象を持たせてしまう地獄ループなわけです。
公式アプリで直近の勝敗を見せてしまった
あと公式アプリで直近50戦の戦績を見せてくれるわけですが、これが裏目に出てしまったというか。
大型の連勝と連敗が順番に来てしまうと、パッと見でもわかってしまいプレイヤーの疑惑が更に加速してしまいました。
また “直近の50戦は何勝何敗なのか” も見せてくれますよね。
ずっと戦って勝ったり負けたりを続けていれば、強いプレイヤーでもどこかで25-25になる確率は高いものです。ですが疑惑の目で見られていることにより
「勝敗が5割になるように調整されている!5割マッチングだ!」
というような声も大量に聞こえてくるようになってしまいました。
直近50戦が均等になるように~というような調整は流石にしていないと思いますが、一度怪しまれるとずっと色々言われてしまうのが悲しいところ。
5割マッチングという単語がシンプルかつ語呂が良かったのも、ツイッターで流行ってしまった要因かもしれません。
その他
単純に仕様を考えたり実装する側の人たちが失敗し、想定通りにマッチングが働かなかった可能性。
プレイヤーの気持ちになってみれば気付ける問題だと思うので、この内容を開発スタッフが良しとしたとも考えづらいと言いますか‥‥。
少なくとも、連勝や連敗が大きく続いてしまう点については想定外だったと思います。というか、狙ってやったと言うよりはそうであってほしい。
直接関係ないんですけど、15試合以上同じステージで遊ばせられたりっていう不運も経験があるので
マッチング周りは色々見直してみてほしいなって。
「何が起きているかわからない」環境と、味方へ不満を集めさせる仕様
ここまで書いてきた色々が、まずマッチングに不満を持たれた要因だとして。
フォローしておくと、完璧なマッチングというのは難しい上、開発側もマッチング速度などを優先したというお話をされていたはずなので、仕方ないところも大いにあります。
内心そこは理解している、というプレイヤーも多いのでは。
ですが、以下の要素によって味方へのヘイトが溜まり、それがマッチング批判に繋がったのかなと思っています。
ウデマエのゲージやポイント増減の納得感の無さ
これは少し上でも書いた内容です。
ウデマエを表示させず、なぜゲージにヒビが入るのか。X帯のポイントの変化量がなぜこれだけなのか。
ゲームにおいてプレイヤーの納得感というのは非常に大事で、これが与えられないとプレイヤーの想像が先行して不満に繋がります。
何が起きたか把握できない⇒自分の悪いところが見えない
バトルの最中は、情報量を減らすためか周りの状況があまり把握できません。
仕方ないことではありますが、勝った時も負けた時も「なんかいつの間にか終わったけど何があったんだろ」と思ってしまうことも。
せっかく観戦モードという良いものがあるのですし、終わったあとにリプレイ観戦などで試合を振り返ることが出来ればなぁと何度思ったことか。
遊びながら不満を口にする皆さんは、大体味方の動きが悪い(自分の思った通りに動いてくれない)という感情を持っている事かと思いますが
実は自分が協調性の無い動きをしていた‥‥というパターンも多いはず。ですが、そんな事実は伝わらないまま闇に葬られます。
なぜ負けたのか。なぜ勝つことができたのか。
納得できなかった人が、自分以外の動きに不信感を持ってしまうのです。
ゲーム内でのプレイヤーの成長を放棄⇒自分の悪いところが分からない
上と近いのですが、ゲーム中に自分の悪いところが理解できないと
反省や成長も難しいものです。
上手く作られたゲームは、プレイを自然に促す中で覚えさせるデザインなども丁寧に練られています。ただスプラ2の場合、一人用モードは本当に初心者に向けた基礎という立ち位置であり、プレイングの成長に繋がるものではありません。
ガチマッチそれぞれのルールで憶えておいた方が良い立ち回りなんかは、ゲーム中でヒントすら表示されないので
ゲーム内での説明は省き、ネット上の動画などに丸投げで頼っているようにも感じます。
テクニックなどの攻略知識も、普通に遊んでいると中々わからないものが多いですよね。例えばガチホコのルートで言えば、
- チョウザメ造船の左高台で橋が上がっている時に穴に飛び込む
- ハコフグ倉庫のゴール下で坂を上らず、正面を塗って頭突きする
- タチウオパーキングの左の壁を上る途中、一旦金網の上に乗る
などでカウントが稼げることを知っている人、上位でも意外といなかったりします。
味方が知っているかどうかが勝敗に関係するわけです。
各々で勉強して上手くなって欲しいという方針なのかもしれませんが、それでしたらリプレイ機能だったり、せめて他の試合を観戦して勉強したいなと感じます‥‥他のプレイヤーの動きって見たくないですか?
私の場合、負けてしまってもとりあえず仲間への不満はぐっと堪え
- 離れたところで何が起きていたのか
- 負けに繋がったシーンはどこだったのか
- それらを改善する手段はあったか
など考え、成長できるようにしています。まぁそうは思っても、マッチング状況の時点で諦めてることはあるんですけど
負けた時の納得感、理解による成長については、死にゲーのデザインでも似た話を行いましたね。
リザルト画面でキル数のみ表示⇒やっぱり自分の悪いところが見えない
気持ちよくなってもらう為だったり、情報量を減らすためという考えなのか、リザルト画面ではデス数の表示を行わなくなりました。
このゲーム、キル数とデス数が貢献度に直結するわけでは無いので難しいのですが、少なくともキル数だけで判断できるわけでは無いと言い切れますよね。
ですがこれも、上と同じく “自分の悪いところが見えない(見えづらい)” ことで、変な決めつけによって味方を悪く言う人が出てきてしまいました。
いかがでしょう。
ここまで書いてきた要素を総合して「言い訳できてしまう」環境となってしまっていた、ということができると考えます。
スプラ2発売直後は「言い訳できる作りのおかげで繰り返し遊びたくなる」とかいう話も挙がったりしてましたが、これ半分正解で半分不正解なんですよ。
「今のは自分のせいじゃない!運(仲間)が悪かったせいだ!次やれば勝てる!」というデザイン自体は確かに存在します。ですがこれは、主に顔を付き合わせた遊びで用いられるのが効果的なモノ。運を絡めた作りはボードゲームデザインの定石です。
UNOやババ抜き、すごろく、麻雀などなど‥‥運の絡むゲームで負けた時、「あー本当はあとちょっとだったんだけどな~」と口にしながら手札などを公開した思い出。きっと皆さんありますよね?
自分を負かした相手に言い訳することで、多少留飲を下げているわけです。
じゃあ画面の向こうの相手にそんなことが伝わるのか?伝わるわけがありません。
そして留飲を下げる手段を失った人が、不満を溜めていくことになりました。
良くできたゲームというのは、相手に負けた時やゲームオーバーになった時など
負の感情が生まれるシーンで納得感を与えるのが上手いです。
「次はこうしてみよう!」とポジティブな気持ちで繰り返したくなるんですね。
8/20 追記
スプラトゥーン3では、この項目で書いた要素について改善が期待できそうです!
以下の記事に内容をまとめましたので、宜しければご覧ください。
通信エラーによるトラブル
話がちょっと変わるので別項目にしましたが、これも納得感に関するお話です。
これもファンの間で結構話題になりましたね。
味方が回線落ちして負けたのに負け扱いになっただとか、自身の回線は安定しているのに回線落ちになったとか。
※現在は味方が落ちたら負け扱いになることは無さそう
私も、自身の通信環境が悪いのかなと思って問い合わせしてみたことがあるのですが、この時の返答で驚いたのが
- 回線に関する推奨環境のハードルが非常に低い
- マッチング部屋のメインに割り当てられたプレイヤーの環境が悪い場合、周りが通信エラーを起こすこともある
という二点でした。推奨環境についての数値は、さすがに聞いたまま書くのは控えますが、2017年当時でも「えっそんなに?」と感じる低さ。
恐らく携帯機として、スマホのテザリングなどでも遊べるようにしたのでしょう。
しかし上記の二点目については納得いかない人も多いのではないですかね?私は2020年に光回線を導入したのですが、光回線になってからの方が 「通信環境が不安定になっています」 と表示され、止まりやすくなりました。
もちろんオンラインゲームに関係する数値は安定していますが、環境が悪い人との差が大きくなった弊害なのでしょう。
ライト層に向けたオンライン対戦ゲームなので、その考え方自体は悪いとは思いません。
だからこそ、一つの負けに対してストレスを生まない作りにして欲しかったと感じます。
その他、チーム格差を感じさせてしまった要素
ブキの組み合わせと相性
多彩なブキがゲーム中に存在しますが、ステージに適したブキやブキ同士の相性など、チームが決まった段階での組み合わせが非常に重要。
どうしても運が絡んでしまう為、マッチングに不満が生まれてしまいます。
負けるわけにいかない人と、負けても良い人の存在
X帯で安定している上位1%くらい?のプレイヤーにはあまり関係ないですが。
X帯下位やウデマエゲージにひび割れが発生するシステムの中で戦っていると、「今回は負けても良いや」と余裕のあるタイミングの人と「もう負けられない」というストレスに襲われている人が一緒のチームになったりします。
余裕がある場合は普段使わないブキを試したり、動きに集中力が無かったり、早々に諦めたりという人もいるかもしれません。
マッチングで想定していないような、一方的な試合に繋がることもあったのかなと。
まっすぐ進めるだけで逆転できるのに、相手が全落ちして3人にカモンされても動かないホコ持ち。
延長に入ってヤグラを止めれば勝って終わるのに、目の前で乗らない人。
わざとなのか敵も味方もいないところをチョロチョロする人。
勝敗調整のつもりなのか悪ふざけなのか意図は分かりませんが、そういうユーザーもいるのが辛いですね。。。
誰かが味方を煽り始めて逆転される、なんてこともあるんですから、負けても納得いかないよねって。
色々言ったけど結局は極端すぎたせいなのでは
振り返ると、思ったより結構長いこと語ってしまいました。
不満が形になるまでの細かな要素は、ここまでに書いた内容で遠くないんじゃないかなと思うんですが
結局、連勝と連敗が続きすぎたのを早く何とかしていれば、格差マッチがあろうがあれほど不満も広がらなかったのでは‥‥というシンプルな感想が浮かんだりしてます。
ただアップデートで多少マシになるまでの期間もかなり長かったので、マッチングの数値設定を変える~とかいう簡単な話ではなく、プログラムの根深い部分を修正していたのかもしれません。
明らかに戦力差を感じる試合が続く。連勝もしくは連敗が続く。
数試合なら気のせい・たまたまとして擁護されるものも、あまりひどいと擁護が難しくなります。
負け試合は当然の事、せっかく勝っても「今のはマッチングが勝たせてくれたのかなぁ」と感じると、少しやらされている感が出て喜びが薄れる人もいますしね。早めに修正すべきだったと思います。
自分も開発経験があるのでわかるんですが、数万人が同時接続するようなゲームって事前に全てを想定するのが難しく、何が起こるか読み切れないところがあるんですよね。
リリース時点で想定できていなかったのだとして、低評価の大半がこの辺の要素だったので本当に勿体ない‥‥。
ターゲットとコンセプトのブレがあったかも
ゲームの立ち位置をどう据えるのか。誰を、何を大事にするのか考えるのが難しかったのだろうな、という気はしています。
任天堂としては、やはりライトユーザー層を大事にしたいところがあるでしょう。しかしこのタイトル、eスポーツとしても大きなコンテンツとして存在しているため、トップ格のプレイヤーがどうプレイするかというのも注意しなければなりません。
そこでバランス調整についてもちょっとだけ触れてみますが
バランス調整というものは万人受けを目指すのも難しく、何をどうしても文句を言う人が出るものです。私も常に万単位の人が遊ぶタイトルの調整を任された経験があるので、見ていて大変だなぁと共感します。
その上、長時間遊んでくれるようなメイン層の反応を見つつ、初心者に優しくし、トップ格同士の試合にも問題が起きないように‥‥と考えるのはやっぱり一苦労。
「上手く調整しているよね」と言えるかと問われたら正直ノーコメントですが()、そもそも難題なのですっていう擁護はしておきます。
ただ現在、
- キルを取りやすい殺し合い環境(メイン性能ギアによる攻撃アップ)
- “使っていて気持ち良い” ではなく “相手を妨害する” ストレス系のスペシャルが目立つ
- きつくなっていくインク消費
と、元々楽しさとして公式も伝えていたはずの、“陣取り&インクをスイスイ泳ぐ気持ち良さ” を損なう方向に進んでいる気がしており‥‥そこだけちょっと不安視しています。
色々なところをツギハギで改善しようとした結果、本来大事にしていたコンセプトから逸脱していくというのは
迷走中のゲーム開発にありがちなので‥‥。
私が感じているだけで、他のファンの皆さんはそんなことないかもしれないんですけどね。
NPCっているの?
たまに「スプラってNPC(人間操作ではないCPUキャラ)が混ざってると思う?」と聞かれます。
流石にそれは分からないのですが、オンラインゲームはマッチングを詰まらせないようにNPCを準備していることも多いので
可能性としてはあるんじゃないかな?とだけ。
ただガチマッチって複雑な動きが求められるので、上位帯に混ざっているとわかりやすくなっちゃう気もしますが‥‥どうなんでしょう。
オブジェクトに自然に絡むAIを作るのって難易度高そうですし‥‥ここもノーコメントで!
別に仲間をNPC扱いする気はないので、せめて「やられた」とか伝えてほしい
「ウデマエ」という評価点に振り回されず楽しむべき。ウデマエ=実力ではない
ゲーム自体は面白いのに、なぜイライラしてしまう方が多いのか。
ここまで語ってきた要素と、その根幹にある「ウデマエ」という評価名称も関係あるように思います。
チームvsチームのゲームなのに、個々の実力かのような書き方ですもんね。
当然上手い方ほどウデマエのランクは上がっていきます。
ただ長いこと遊び、連勝と連敗によるウデマエ変動を繰り返しながらXまで経験しているような方は分かると思いますが‥‥マッチングシステムのこともあって、短期的にはあまりあてになりませんよね。
私自身、自分はずっと足を引っ張ってるのに15連勝くらいして、場違いな数値になったことがあります。
対戦時のガチパワーの数値を見ても、S~S+下位、S+上位~X下位などは実力的に大差ないはず。ですのであまりウデマエを気にせず、勝ち負けで一喜一憂しすぎず、一つ一つの試合をのんびりと楽しみましょう。これ大事。
実力的に大差ないはずとは言っても、近いウデマエで様々な実力のプレイヤーがごちゃ混ぜなことに変わりはないので、自分を過信せずに他人のプレイから勉強していきましょう。
上でも書いた通り、その勉強が難しいんですけどね。。。
一喜一憂しすぎないべきだからこそ、普通のレート制であれば、負けても切り替えやすくストレスになりにくいのではと思うんですけどねー。
S+以下の場合、一度の格差マッチでヒビが割れてゲージが落ちてしまうと、同じ位置に戻るまで多くの試合数を要しますし。
友人に「連敗中で死にそうなので助けて」と言われ、良いのかなぁと思いつつウデマエSのガチマッチに代理で挑んだ際、自分が20キルしてチームは負け~なんて事態も発生しました。(もちろんキルが全てじゃないですが)
そういうゲームなので、考えすぎずにいきましょう。
スプラトゥーン3の発売日がやって来ることを期待
いつになるかはわかりませんが、これだけのタイトルなので続編の期待は持っていても良いと思います。
去年?のインタビューの時点で何も動いていないとのことでしたが、リソースは流用できるので0から作るよりは早いですしね。
2の反省点を活かして、より良いタイトルとして降臨するはず。
ウデマエゲージのヒビ割れシステムなど失敗要素は無くなると思っていますが、あのシステムがあった方が
ユーザーの感情の起伏とマッチングを調整する、という考え方には便利なのでなんとも。
でもまぁ期待はしているので、色々言いつつ今後も遊んでいきます。頑張れ自分。
もし不満を持っている友人がいたら、この記事を教えてあげてください。ちょっとだけ納得してもらえるかもしれません。