3/12に発売されました「仁王2」。
去年後半から私生活がバタバタしており、じっくりゲームを遊ぶ時間が無かったのですが
ようやく心身ともに余裕が出来ましたので、新作ゲームを楽しむべく購入しました。
そんな仁王2、全体的に見ると評判はそこそこ。(Amazonですと記事公開時で★3.5)
しかし前作など未経験の層の意見を見ると、アクション部分はやはり評価が割れているように感じます。高難易度ゲームあるある。
どういうところが初心者に辛いのか。というところなど含め、忖度なしでレビューしていこうかと思う所存です。
ネットの記事や紹介ブログって、宣伝のために商品を持ち上げようとするものも目立ちますしね。こう言うと角が立ちますけど。。。
ちなみに私は前作未経験ですし、ゲームファンから「死にゲー」と愛されるゲームはそれほどやり込んで来ていませんが
アクションゲーム自体は好きな人です。
2019年にやり込んだタイトルですと「Devil May Cry 5」ですかね。「スパイダーマン」なんかもハマりました。
その程度の人間の目線ということを踏まえて、ご覧ください。
初期のマリオのような一発死のゲームも根本は似ているので、そういう意味では遊んできているんですけどね。
今回のレビュー記事は、10時間ほどプレイした時点でのものとなります。
それ以降の感想はゲームの進行に合わせて別記事で。
「死にゲー」のゲームデザイン
実は私自身、高難易度のアクションゲームの開発に携わり、ステージ設計などを担当したこともあります。
この記事を読んでくださっている方も、名前くらいは知っているのでは?という位置のタイトルです。
「死にゲー」というのは
プレイヤーに多くの学びを与え、幾度となく成長させることで「壁を乗り越える気持ちよさ」を絶え間なく感じてもらえるんですよね。
ゲームで難しくて詰まった部分を、自分の考えたプレイングで乗り越えたら嬉しいですよね?
詰まったとまで言わずとも、初見で死んでしまった時に「あー、こうするべきだったか」と考え
次のプレイで上手くやり過ごせれば、少なからず達成感があるはず。
そのためゲーム設計側にも、「過度なヒントは与えずに気付かせる」「再挑戦がストレスではない」という一般的なゲームデザインについて、いつも以上にシビアな調整が求められます。
仁王2では、そういった試行錯誤と再挑戦に関する部分で
初心者のモチベーションを削っていないかな、と感じました。
私自身は、途中でゲーム全体のシステムや要素を理解できてから、ストレスもありつつ面白く感じていきました。
高難易度のゲームとなると、打開方法を理解したところで「アクションが難しくて無理!」という人も多いと思います。これについてはコアゲーマーをメインターゲットにしているので仕方ないところもあり、低難易度モードを実装していたり、負けてもプレイヤーキャラを育てやすかったりといった対処法を取っているゲームも多いですよね。
“高難易度” は説明不足なことではない
上でお話した “死にゲーの楽しさ” を実現するためには
- 死んだ理由が理解できる
- 死んだ理由がすぐわからない場合でも、他に試す手段が浮かぶ
- 再挑戦しやすい
といった要素が大事になります。
仁王2は、まぁ昨今のアクションゲームとして考えればおかしくもないのですが
やることが多岐に渡るため、画面に表示される要素、チュートリアルの時点で伝えられる内容などどれも多いです。
しかし各ゲージの扱いや重要さなど、全てをすぐに覚えられるわけもなく。実践によって学んでいくんですよね。
しかし学びの最中に死にます。
雑魚の攻撃でどんどん死にます。
ゲーム開始直後から死にます。
「えっ!なんで行動できないの!」と叫びながら死にます。死にゲーだもの。
システムを開けば、各要素の説明を再確認できるので、ある程度の疑問は再確認できるのですが
ゲーム画面の表示物やゲーム用語を確認できる場所が無いんですよね。
結局公式サイトにアクセスしないといけない、というのは不親切かなと思います。毎度チュートリアルをプレイするというのも手間ですし。
ただでさえ、ゲーム自体が進行のヒントを与えてくれないのです。
試行錯誤するためのゲームシステムくらいは、丁寧に伝えてあげた方が
初心者が心を折られづらいのではないかなと。
ちなみに手動セーブの手段は教えてもらえません(笑)
マップ内の社で “拝む” ことで、データのセーブやパラメータアップ等、各項目へのアクセスが行えます。
勿論、ゲームが想定しているターゲットがいて、そのターゲットのためのゲームコンセプトが開発中には据えられるため、ズレたことは実装できません。
しかしメイン部分を “楽しむため” の補助であれば、コンセプトの邪魔どころかサポート要素になれるはず。
高難易度のゲームになると、一部ユーザーから
このジャンルが苦手な人には合わないだけでしょう、俺はゲームが得意なので楽しめますよ(ドヤァ)
というようなフォローレビューが飛んできたりもしますが
ターゲットユーザーを喜ばせつつ、新規を取り込む手段は絶対に存在しますからね。
再挑戦が面倒くさいことも多い。
先ほど、「再挑戦がストレスではない」ことが大事だと書きましたが
仁王2の道中では、再挑戦の手間によるストレスがそれなりに発生します。
マップの各所に社があり、そこでちょいちょいセーブしながらマップ探索を進めます。
死ぬとセーブした社に戻されるのですが、死んだ地点にプレイヤーの守護霊だけが残りまして
“セーブ後に獲得したポイントやアイテムは、その守護霊と共に残る”
“守護霊を回収することでポイント等も戻ってくるが、回収前に死ぬと全てリセット”
というシステムになっています。
これが、「死んで憶える」とは別の「死にたくないハラハラ感」を生む形ですね。
社ではセーブしつつ、ライフや一部アイテムの完全回復が行えるのですが
雑魚を倒してはセーブ、という方法でクリアさせないため、社で “拝む” と敵は復活します。
そのため、次の社(セーブポイント)に行くまでの道中で
苦労しながら進む
↓
死んで社に戻る
死ぬ前にパラメータアップのために自主的に戻る
↓
敵が復活しているのでまた苦労して進む
↓
強力な敵の直前までにライフが減ったので社に戻る
死ぬ前にパラメータアップのために自主的に戻る
というような行き来を行うことがしばしば。
雑魚は1対1であればそこまで苦労しないのですが、囲まれた時に油断すると瞬殺されます。
「あそこはアレで失敗したから次はこうしよう」を試すまでに、障害が発生するのです。
道中で強い敵に倒された場合、またそこまで行くのが面倒なんですね。
上手い人からしたら「何言ってんの」でしょうが、中々上手くいかないもので
繰り返し敵を倒すことでポイントやアイテムを獲得し、パワーアップするためにも精神をすり減らしました。
死にながらも頑張っているとポイントや装備が集まっていくのは良いのですが、守護霊がいない状態で死ぬ(連続で死ぬ)と全て消えますからね?
ちょっとしたミスで長時間の努力が水の泡になると、心が折れるプレイヤーも一定数いるのではないでしょうか‥‥。
強力な敵がいるゾーンで死んでしまうと、回収に行くまでに死んでリセットとなるか、かなり時間をかけて慎重に回収するかの二択に。何にせよストレスです。
道中はそんな感じで非常に辛かったのですが、大ボスの出てくる場所では直前に社があり、死んでもお手軽に再挑戦できます。
そういった意味では、ボス戦はテンポが良く苦痛も少ないです。勝てずに何度も死ぬんですけどね!(笑)
前作クリア済みのユーザー達ですら、道中の敵の群れよりボスの方が楽だと言う程なので
感覚として間違っていないと思われます。
面白さを感じてくるまでが苦痛。理不尽でめんどくさい。
だけど気持ちいい部分も。
どういうプレイが出来て、どういうシーンでどう動くのが良いのか。
ゲームの要素を理解して試行錯誤を行いやすくなっていくと、面白さが広がっていきます。
武器の種類が12種類あり、かつ構えが上段中断下段とアクション中に変更可能。
武器ごとにスキルも分岐し、その上守護霊を選んで妖怪技や妖怪化。。。
強大な敵に繰り返しボコボコにされながらも、多彩な攻撃手段から勝利への糸口を探し出していけるわけです。
自由すぎるのは不自由だという考え方があるように、苦手な方は迷ってしまって逆に大変かもしれませんが
一部の武器だけでも何とかなります。
恐らくどこまで行っても、「それ当たるのかよ!」「なんだその攻撃!」みたいな酷い殺され方は発生するでしょう。
ファンである友人も、半分ウキウキですがそのようなことを言っています。(たぶん変態)
ですが、どうやって勝つんだよと感じた相手に善戦するようになり、最終的に討ち倒せた時の爽快感、達成感は何とも言えません。
そこまでたどり着く根気があるかどうかで、このゲームをプレイすべきかどうかが決まるかと思います。
快感を得るまでに、同じことの繰り返しを続けることになります。はい。
毎日空き時間にちょっと遊びたい、という方も難しいかもしれませんね‥‥死ぬとやっぱりムキになって続けたくなります(笑)
私は面白さが分かってきたところではあるので、頑張って続けてみようと思います。合う人にはとことん合うからこそ、高評価を付けるユーザーも多いわけですからね。
これから先もっと面白くなることを信じて。
そして心が折れないことを信じて。。。
※追記:続きの記事をアップしました。