PS Vitaで人気を博したらしいインディーズゲーム「グノーシア」。
そのNintendo Switch 版が最近リリースされましたので、プレイしてみました。
結論から言うと、SFなシナリオに引き込まれたこともあり結構面白かったです。
ただ反面、残念な点もいくつかありましたので、感じたことをつらつらと書いていきたいと思います。
人狼ゲームがベースだが、人狼の楽しさに期待してはならない
先に説明しますと、人狼ゲームとは大勢でプレイする会話のみのパーティゲームです。
知らない方向けに概要を記載します。
プレイヤーはそれぞれが村人と村人に化けた人狼となり、自身の正体を隠し欺いたりしながら他のプレイヤーと交渉して相手の正体を探る。ゲームは半日単位で進行し、昼には全プレイヤーの投票により決まった人狼容疑者1名を処刑。そして夜には人狼による村人の襲撃が行われる。
wikipediaから引用しつつ、文章が読みづらかったので修正してます
これらによって死亡したプレイヤーは以後ゲームに参加できない。全ての人狼を処刑することができれば村人チームの勝ち、生き残った人狼と同数まで村人を減らすことができれば人狼チームの勝ちとなる。
基本的なゲームの要素は、プレイヤーが秘密に割り振られた役職(村人、人狼、占い師など)を互いに推理し合うだけのシンプルなものである。しかし推理に必要な手がかりは、一部の役職の効果や、プレイヤー同士のやり取りから読み取らなければならない。
よって、いかに相手を説得するか、あるいは巧妙に騙し続けるかの会話による駆け引きが重要な要素となる。またプレイヤーが自分たちで考案した追加ルールや、多種多様なローカル役職が存在することも特色に挙げられる。
で。
ゲーム紹介などを見ると
- 「人狼ゲーム(汝は人狼なりや?)」をベースにしたゲーム性であること
- 繰り返しループする世界観のADVであること
が概要として把握できるんですね。
登場人物のAIと人狼ゲームをプレイしながらADVパートを進め、自分が脱落するか勝敗が決するとそのループが終了し
また次のループを開始します。
ループの度に登場する人物や与えられた役職が変化するので、その中で生き残り様々な情報を獲得し、真実に近づいていく‥‥というのがゲーム全体の流れです。
まずここで注意して頂きたいのですが、人狼のルールに沿ってゲームが進んでいくだけであって
人狼独特の楽しさはあまり感じられません。
まぁゲームなので当然リアルの心理戦なんて無茶な話ですし、そこまで期待するのは可哀想だとフォローしつつ
会話の内容と言ったら
Aさんが怪しいと思う
俺もそう思う
私はそうは思わない
と言った、中身のない肯定と否定のやり取りが大半です。
その上、発言内容を一瞬でひっくり返されることもしばしば。
「俺人狼ゲーム大好きなんだよね!任せてよ!」
みたいなノリでゲームをプレイすると、がっかりすると思うのでご注意ください。
あとそうだ。
個人的に、役職を隠し通すプレイングが出来ない(名乗り出ないと偽物が本物と確定して進む)のも不満でした。
公式サイトのゲーム紹介動画を貼っておきますので、まだゲーム画面も見たことが無いという方は参考までにどうぞ。
人狼というより論理パズルの楽しさ~まるで逆転裁判?~
じゃあ人狼パートはまったく楽しくないの?と聞かれるとそんなことはなく
人狼で用いるような基礎知識をベースに、論理パズルのような思考ゲームを楽しむ感じです。
人狼で言う占い師や霊媒師の効果で情報を得たり、ランダム要素で「〇〇がウソをついている」という情報を得たりできるので
それらを組み合わせることで答えに近づいていくことになります。
運の要素が強いですが、ヒントを集めて組み合わせるというのは逆転裁判っぽいかもしませんね。
ちなみに、ゲーム中には基本の説明や論理的思考のヒントも記載されているので
苦手な方は読んで学ぶと良いでしょう。
ちなみにゲーム的要素として、パラメータの割り振りと成長、スキル獲得というのもありますよ。
補足しますと、このゲームにおける役職名と人狼での役職の関係性はこんな感じです。
グノーシア | 人狼 |
エンジニア | 占い師 |
ドクター | 霊媒師 |
AC主義者 | 狂人 |
守護天使 | 騎士 |
留守番 | オリジナル?村人確定者 |
バグ | ゲームを遊んでのお楽しみ |
ヒントが少なすぎてどうしようもないことも多いですが、変わり続ける状況を乗り越えていく楽しさはあるかなと。
ちなみにゲームの勝敗自体は、シナリオ進行に影響しないことも多いです。
勝てばパラメータ成長に必要な経験値がたくさんもらえる形となります。
プログラマーのバグ取りのようなトライ&エラー
上記の論理パズル云々は、人狼パート一回ごとの楽しさです。一回というか一周と言うべきなのかな。
ファミ通などの紹介でも言われているのでもう伝えちゃいますが、この人狼パートを100回とかそれ以上繰り返します。
一周のプレイ時間は10分~15分。私は114回繰り返しましたし、150回を超えたという方も見ました。
これに対する不満は後程書くとして。
各キャラクターの秘密を知ったり、シナリオを進めるために、色々な参加人数や役職を試しながらひたすら繰り返していきます。
それはさながら、プログラマーが実装した挙動の問題点を改善するために、修正とチェックを繰り返すかのよう。。。
こう書くとただただ辛いだけにも見えますが、「このパターンはまだ試してないよな?」というのを考えながらトライし、新たなシナリオが発生した時の喜びは中々です。
一回のループが短いため、止め時が分からずのめり込んでしまいますね。
シナリオは面白いが運要素が強く、ゲーム終盤は苦痛に
様々なパターンを実施し、情報を集めるのが楽しいと言いました。
シナリオは先が気になる作りで、謎が解明されていったり登場人物の関連性がわかっていくのは気持ち良いです。
ですが、人狼というゲームのルールがそれを邪魔してきます。
例えば、登場人物AとBを生存させたまま進める必要があるとしても
グノーシア(人狼)を疑われて投票で消されたり、グノーシアに襲われて消されます。
自身の立ち回りで生存率を上げることは出来ますが、中々都合よくいかないものですね。
というかどの登場人物が絡むのかわかるのはマシな方で、誰を生かしておけば良いのかもわからないイベントが大半。
周回50回を超えたあたりから、段々とシナリオ進行や新規イベントの発生しない回が増え
「今回も何もなかったわ‥‥」と意味の感じられない周回プレイを嘆くことになります。
クリアまで21時間程度だと思いますが、恐らく合計で5~6時間は無駄に遊んでます。
私でそれだけの時間なので、150~200回ループしている人はもっと悲惨かと。
主人公自身がループに陥っている状況のため、ある意味その辛さに感情移入できる作りではあるんですが
面倒臭さが勝ってくるとプレイも雑になりますし、時間が空くとシナリオの展開も忘れかねないので
もう少し緩くしておいて欲しかったです。
折角のシナリオを、ゲーム性が邪魔してしまっています。
なんだろう。
涼宮ハルヒの憂鬱というアニメの、「エンドレスエイト」というものを思い出しました。
ループしている世界から抜け出せない苦悩、みたいなものをを視聴者に感じさせるためか
8週間に渡って同じストーリーを放送したんですね。あれは色々話題になりました‥‥興味がある方は調べてみて下さい。
繰り返しは無駄に感じるだけで、内部的には何か進行しているかもしれません。
が、仮にそうだとしても。ユーザーに伝わらなければ、負の感情が生まれることの言い訳でしかなくなってしまうので、注意が必要なのです。。。
買うならSwich移植版
これからプレイしたいという方は、機能が追加されたSwich版を購入すると良いでしょう。
現在ダウンロード版のみの販売となっています。
ちなみにゲーム開始時に性別を選ぶことが出来るのですが
男を選ぶと、女性キャラとの恋愛っぽいイベント。女を選ぶと、男性キャラとの恋愛っぽいイベントが発生するようです。参考までに。
汎という無性もありますが、これを選ぶとイベントがなくなるらしい‥‥流れ完全カット?
不満もありますが、中々経験できないタイプのゲームなので興味があれば是非。
2750円とお安いこともあり、価格を考えれば楽しめると思います。
泥沼に陥ったら攻略wikiを見るのが良いかもですね。(見ていないので精度はわからずすみません)
ちなみに、ループ系のSFシナリオがお好きな方は
日本ゲーム大賞のフューチャー部門も受賞した、「十三機兵防衛圏」が最高にオススメです。
シミュレーションゲームパートも含め、近年でもトップクラスのゲームだと思うので、興味のある方は調べてみて下さい。