SNS全盛の時代だからなのか、勤め先への愚痴のような話題ってよく見かけますし簡単に広まります。
ちょっとしたことで「ブラック企業だー!」と騒がれがちなのは、個人的にはどうかと思いますが
良くない会社が存在するのも確かな話で。
ではゲーム業界ってどうなんだろうね、というお話です。
※あくまで、私個人の知っている知識によるお話だという事をご理解ください。
一応業界内の横のつながりは広いと自負していますが、それでも当然知らない会社の方が多いです。
ゲーム“業界”はブラックなの?
こういう質問であれば、私はとりあえず「NO」と言います。
ゲーム業界に限らず、モノを作って世に出す業界はブラックだと言われがちですよね。
特にコンテンツの動きが速い業界だとやることも多く、どうしてもやればやるだけクオリティが上がっていくため
長時間会社にこもって働きがちです。
そういう体育会系な働き方が昔から広まっていたからか、今でも「よく知らないけどブラックなんでしょ?」というイメージが付いてしまっています。
実際、頻繁に一日の終わりまで働いているような会社も知っているので、否定しづらいのも事実です。
が。
昔に比べ、ゲーム業界は全体的に働きやすさを考えてきています。
『社員は会社に寝袋を準備している』といった逸話も、昔は本当にあったと聞いたこともあります。ただ、今はほぼ存在しないんじゃないでしょうか。
世間では悪く言われがちな働き方改革ですが、大きな会社を中心に気にされており
今後は中小のゲーム会社にも広がっていく期待が持たれています。
なので私としては、
「ブラックと言える働き方の会社もまだまだあるけど、業界全体ではそんなことなくなってきてるよ」
とお伝えしたいです。
何をもってブラック企業なのか、なんていうのは人それぞれの感覚的なモノなので、難しいんですけどね。
ゲーム業界は給料が低い?残業が多い?勤務時間が長い?
それぞれ記事にしても良い気がしますが、気になる方もいると思うので、ここでもざっくり書きましょう。
業界全体の年収
正直これはわからないと言うか、ピンキリありすぎて書きづらいのですが
世間の平均程度の会社はもちろん、都内やその近郊なのに地方みたいな安月給のところもあります。
それとは真逆で、某IT事業系のグループなど、新卒からかなりのお給料を頂ける会社も。
ただ全体的には、ちょっと少な目な会社が多いかなという印象ですね。
大卒の新卒採用だと、初年度の月給は22万あたりが中心ですが(恐らく)、ゲーム業界だともう少し低い会社もたくさんあります。
試用期間というのを良いことに、月給15万程度からスタートする会社もあったり。
新卒の給料については、各社さんのホームページの採用情報から確認できると思います。参考にしましょう。
試用期間とは、「正社員にする価値があるか見極める期間」です。
大体3ヶ月程度ですが、酷い会社だとずっと試用期間を引き延ばしたり‥‥(基本的には無いです)
認めてもらうことで晴れて正社員となるわけですが、うまく働けなければ結果的に雇ってもらえないということも。
CEDEC(業界向けカンファレンス)のアンケートなどで年収のデータが出ていたりしますが、あれは任天堂さんなど数社の大手からの参加者によって吊り上がっている印象です。
クリエイターに対してお金が全てとは言いづらいですが、とは言えお金は非常に大事なので
就職時によく吟味して、行きたいところに行けるよう実力をつけましょう。
ゲームなどのコンテンツに触れたり、ゲーム業界ではよくある転職時だったり、お金は大事です。(2回目)
以前の専門学校記事で書いた、就活時の努力のお話はここに繋がります。
管理人の年収!
言いません(笑)
ただ調べてみた結果、同年代と比較すればかなりもらっている方みたいです。
とはいえ地方と東京近郊では基本収入の平均に差がありますし、会社員ではない方々‥‥例えばフリーターなどアルバイトをしながら夢を追ったり、個人で活動している方々も含んでいるはずなので
まったく同じ条件では見られないですからね。
他人と比べず自分自身と比べ、頑張っていくのが良いです。
気になって色々なサイトの「平均年収」データを見てしまう方もいると思います。
ただご存知の方も多いと思いますが、この手のデータを見るなら平均値ではなく中央値です。
平均値は足して割るだけなので、ごく一部が恐ろしい金額を稼いでいるとそこに引っ張られて上がってしまいますが
中央値は【全体の真ん中の値】になりますからね。詳細はここで語るのも邪魔だと思うんで調べてください。
この業界で年収を上げるには
- 社内で実力を見せつけて評価を上げていく
- 実力をつけて転職する
- 一芸を身に着けて、フリーのクリエイターとして多くの依頼を獲得する
といった手段が挙がるでしょうか。最後のは中堅以上の手段になると思います。
ゲーム業界は業界内の転職が活発なので、自分を売り込んで年収を上げていくのもよくある話です。
私は3回転職していますが、自分という人間の価値を上げながら
「希望額を出すからウチに来てくれ」
と言ってくれる会社に出会えたのが大きいですね。
最初に勤めた会社で頑張って評価してもらう、というのは当然の手段として。
前述のとおり業界内の転職が活発なので、最初に入社した会社が低沈金だとしても、努力と出会いの運次第でなんとかなります。
現に私自身、最初にいた会社は労働基準法に引っかかってそうなブラックでしたから。
ゲーム業界の勤務時間、残業
これもピンキリだとは思いますが、年収よりはわかりやすいです。
勤務時間は長くなりがちな会社が多いと思います。
上で書いた通り、業界的にも業務時間は改善してきており、プロジェクトの管理者も気にかけてくれがちだと思っていますが
「もうちょっと頑張れば、もっと良いものをユーザーに届けられる」という考えで、ゴリゴリ働く人やプロジェクトは何だかんだ多いのではないでしょうか。
気持ちはわかりますが、余裕がなくなり精神的に辛くなってきます。
では、全ての会社が同じなのか?というとそうではなく。
納期の前など頑張り時は出来る限りのことを行い、余裕のある時は早く帰って自分の時間を楽しむ。
良い会社は、これを実践できています。そのため大変な時期はありますが、メリハリをつけて「今は頑張ろう!」という気持ちを作れます。
私の勤めている会社もこんな感じですね。
有給休暇の消化率も、今の時代よく話題に挙がりますが
各社員の消化率をしっかり管理し、あまり減っていないと注意される会社も多いようです。働き方改革の効果ですね。
またゲーム業界は、裁量労働制やフレックス制度といった、出退勤時間を社員側がある程度柔軟にできる制度の導入もよく見かけます。
朝が弱いから、病院に行きたいから、と言った理由で勤務時間をずらしたり、予定がある日は早く帰ったり。
もちろん周囲のメンバーとの相談は必要ですが、これも働きやすさに繋がりますね。
今は小さな会社も増え、会社の利益のためにどうしても忙しくなりがちな会社の方が多いとは思います。
でも、こういった働きやすさに繋がる動きが拡大していくことを祈ります。
パブリッシャーより、ディベロッパー(開発専門)の方が忙しい?
ゲーム会社には、大きく分けてパブリッシャーとディベロッパーの2種類が存在します。
・パブリッシャー
└ 内部での開発や、他社に開発実装を行ってもらったタイトルの販売を行う。
CMなどでよく聞くような会社は大体パブリッシャー。
・ディベロッパー
└ パブリッシャーなどから依頼を受け、パブリッシャー側の
プロデューサーらと力を合わせながら開発のみを行う。要は外注。
パブリッシャーの場合、「ユーザーから評価されて買ってもらう、課金してもらう」ことで会社の利益になるので分かり易いですが
ディベロッパーの場合、会社から見た客はユーザーでありパブリッシャーの会社です。パブリッシャーからの依頼をこなすことで、開発費として会社にお金が入ります。
開発会社からはクライアント(依頼主)なんて言われますね。
ミスでスケジュールが遅れるなんてのは当然許されませんし、クライアントの偉いプロデューサーが急に要望を出してきたら、なるべく応えてあげることになるのです。
何故なら、今後も良い関係を築いて、何度もお仕事を依頼して欲しいから。ゲーム業界に限らず、社会人なら耳にする話かと思います。
ディベロッパー側の開発ディレクターといった代表者がしっかりしていれば、きっと開発スタッフの疲労を考えてくれます。
出来ることと出来ないことを明示し、勤務時間が伸びないように戦ってくれることでしょう。
でも。とは言え。お金をくれるクライアントに対しては、よほどのことが無い限り強気には出辛いものなのです。
どこの業種も、外注や下請け専門って本当がんばってますよね。。。
ゲームグラフィック専門の会社なんかもありますが、こういった会社はディベロッパーから発注依頼を行うことも多く、プロデューサーの話がワンクッション挟んで飛んでくるので、より大変だと思います。
ゲーム業界の働きやすいところ(良いところ)
ここまで大変な話ばかりですが、ゲーム業界に共通していそうな良い部分もありますよ。
社員が皆ゲーム好き
あまり遊ばなくなった、という方はたまーにいるものの、基本的には当たり前のように皆さんゲーム好きです。
職場で好きなモノの話をワイワイ楽しめるのは良いですよね。
休憩時間や業務後など、皆で会社内でゲーム!というのは良くある話だと思います。
システムの導入など時代の流れについていける
古い会社、社内の偉い人が電子機器に疎い会社にありがちな
「社内のシステム(ルールや電子システムetc)が古すぎて不便」といった事態は起きない気がします。
チャット系ツールや業務に必要なツールの導入も積極的です。仕事の効率化は大事ですよね。
私服出勤なのでスーツ不要
スーツって、高いし手入れが大変だし、着ていて暑苦しくなったりと個人的には苦手だったりします。
自分の場合は暑がりなのもあり余計に‥‥。
ですが、ゲーム業界は大半私服通勤です。10年程度前まではスーツ通勤だった某有名会社も、今は私服になったとかなんとか。(友人が務めていました)
私服はその日の天気や職場の気温に合わせられますし、自分の個性を周囲に伝えるためのものにもなりますからね。私服通勤バンザイ。
私服を考えるのが辛いという方は、スーツそのものを着るのでも、スーツ風のシャツを着るのでも良いと思います。実際にワイシャツのみで過ごす方もいますね。
環境が悪いと思ったら、実力を付けて転職しよう
最初から良い会社に就職するのが一番ですが、なんとか入社した会社が労働環境は悪いわ給料低いわでキツい‥‥
ということもあります。
少し上にも書きましたが、ゲーム業界は業界内の転職が活発に行われます。
中途採用の募集もたくさん行われているので、働きながら転職の準備を進めることが大事です。そしてしっかり、自分をアピールできる武器と最低限の実績を身につけましょう。
いくら会社が悪い所で、辞めたくなる理由が真っ当だとしても。他の会社が自分を欲しがるかどうかは別問題です。
転職時は、自分で探すのとは別に転職エージェントを併用すると良いですよ。
転職エージェントとは、企業と自分との間に入って様々なやり取りを代わりに行ってくれる会社です。
表には出ていない、詳細情報付きの求人情報も多く参考になります。
エージェント会社によってゲーム業界に強かったりもするので、ゲーム業界の転職を行う際は
複数のエージェント会社に登録してみて、良さそうなところを利用させてもらう。くらいの考え方で良いかと。
使わない会社にも最低限の礼儀は必要ですが、割り切って使わせて頂きましょう。向こうも何だかんだ理解しています。
ゲーム以外の業界からゲーム業界に行きたい場合
ゲーム業界内の転職について少しだけ触れましたが、就職後にゲーム業界の夢を捨て切れないという方も多くいらっしゃいます。
正直楽な道のりでは無いですが、ゲーム開発以外の職種からゲーム業界へ転職することは不可能ではありません。
興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
さいごに
ゲーム業界は、きっとハードな方だとは思います。
しかしながら、昔のイメージよりは良くなってきているのも確かです。
ゲーム業界を目指す場合、良い会社に入れるよう、学生時代から後悔の無いよう努力してくださいね。
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