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他業種からのゲーム業界への転職は難しい?成功させる方法は

2020 10/28
他業種からのゲーム業界への転職は難しい?成功させる方法は

本日の話題は、“ゲーム業界からの目線で語るゲーム業界への転職” についてです。

ゲーム業界は業界内の転職が非常に活発な業界でして。流行の変化が早く、各社様々なスタイル、思想を持って、様々なコンテンツに力を入れていることもあり
自身との相性や考え方の合う場所を求め、前向きな理由で会社を移動する人も多いです。一度も転職したことのないという方は滅多にいないのではないかと思います。

そんなわけで、ゲーム会社というのは年中中途採用を行っていたりします。そしてそこには、ゲーム業界の経験がない方からの応募も一定数あるんですね。

しかし、当然ながら、これが中々難しい。

この記事では「なんとかゲーム業界に入りたい!」という方向けに、可能性のある手段をお伝えします。
 

目次

中途採用の壁

各社の採用基準として、ゲーム業界未経験OKとしている会社も多いです。ですが、じゃあ新卒と同じようなただの素人、しかも年齢を食っただけの人を優先的に採用するか?という話。
新卒と大差ない年齢の人ならまだしも、歳を重ねるごとに新卒との比較が厳しくなっていきます。

そして苦労すると思われるのが、応募時に提出するアピール作品。

プランナーを希望するならゲーム企画書
プログラマー希望ならオリジナルの遊べるゲーム
デザイナー希望ならイラストをまとめたポートフォリオ

などが一般的です。
強制ではない場合が多いものの、準備もせず挑んだとして

新卒より歳を重ねています!

開発経験はありません!

作品?ありません!

これでどう採用されようというのか。って話になりますよね。

次の項目で、一つ目の手段としてすぐに取り掛かれる転職活動を紹介しますが
すぐには先に進まない可能性が非常に高い、急がば回れ精神が大事な道のりだということをご理解ください。

冒頭で話した通り、業界内での転職は活発な世界です。
ゲーム業界を希望している方は、「業界の末端に引っかかってでも、そこから成長してやる!そのためにやれるだけのことをやる!」という気持ちで、前向きにこの記事を読んで頂ければと思います。
 

業界の末端とザックリ書いた中身は、大手のバイトやテスターといったものも含むイメージとしています。

転職支援会社に登録し、力を借りる

まず一つ目の手段として。世の中には転職支援会社というものが存在します。
サイトから無料で登録し、希望の業種や待遇などを担当者さんと相談することで、担当者さんから人員募集している会社の情報を頂くことが出来るんですね。

多くの会社に書類を送り、書類が通過すれば面接の日取りを決定し、採用を目指す。この流れを全て担当者さん経由で行ってもらえる、マッチング支援だとか婚活サイトみたいなイメージ‥‥と言えば伝わりますかね?
私は恋愛系のサイトは使った経験がありませんが、ゲーム業界で他社に移る時は毎回この手の会社を経由しています。

この転職支援会社も色々と得意不得意があり、IT・ゲーム業界に強いという場所も。
そういう支援会社は各ゲーム会社とつながりがあり、求人情報が多く入ってくる他、過去の就職成功者のデータを参考にさせてもらうことも可能なわけです

ただ正直なところ、未経験でアピールポイントが無い場合、相手をしてくれる会社がどれほどあるのかはわかりません。
しかし、“猫の手も借りたいほど忙しい状況に陥っている会社” というのは絶対存在するので、そこに出会えるかどうかですね。
特に小さい会社で応募が少なかったりするパターンですと、中途の業界未経験者でも将来性があれば採用してくれるかも。

テスターやデバッグレベルから探している会社も、中にはあるかもしれません。またデバッグ専門の会社というのもあり、そういうところから評価を上げていった人間を自分は1人知っています。狭き門ですがね。

私も転職の度に支援会社を使っていますし、準備ができた時点で登録して、仕事をしつつ良さげな会社を探すのはアリだと思います。
こういう会社は、「利用してやるぜ!」くらいの精神で使わせて頂きましょう。そして転職成功すれば、支援会社も自分自身もwin-winです。
 

ゲーム業界内の転職でも、実力や実績と同じくらい、タイミングなど運の要素は大きいと言われます。
ちょっと志望タイミングがズレただけでも、開発スケジュールの変化など会社からの需要が変化しかねませんからね。
優秀な人が申し込んできても、「つい先週決まっちゃったんだよなぁ」なんてことも。

時間をかけてゲーム開発の勉強

ここからは、ある程度時間をかけて攻める手段のお話です。

未経験でも採用してくれる場所はあるかも、ということはお伝えしましたが、自分以外のゲーム業界希望者に勝たねばならないのも事実。
そういう時の武器として、応募作品が作れると良いですよね。

応募作品をしっかりしたレベルで作れるようになるには、個人で頑張るか、ゲーム業界を目指す専門学校に通うという方法が考えられます。
 

個人で実績を作る プログラミング学習サービスも

自分に厳しく、個人でしっかり勉強を行えるタイプの方は、一人でガリガリ学習するのも良いですね。
 

プログラマー志望の場合

今の時代はUnityというソフトウェア(無料版あり)で誰でもゲームを開発でき、世界に発信できてしまう時代です。
ゲーム会社の採用担当からは、「自分でゲームを作ろうとは思わなかったのですか?」と聞かれてしまうことでしょう。

プログラムを組んだこともない素人が、プログラマーとして採用されることはまずありえません。新卒ですら聞いたことがないです。
プログラマーでの採用を目指すのであれば、自分のプログラム技術を見せつけるための作品は必須だと考えて下さい

Unityについては、初心者がゲームを作るための書籍も多数発売されています。昔に比べて本当にお手軽になりました。
専門書は少し高いですが、ネットで調べるのと違って一連の流れで教えてもらえるのが良いですね。Kindle版を買えば、調べたい単語で書籍内を検索出来て便利。まぁそこはお好みで。

Unityの教科書 Unity 2020完全対応版 2D&3Dスマートフォンゲーム入門講座

Unity2020入門 最新開発環境による簡単3D&2Dゲーム制作

もしプログラムに不慣れで「どうにか短期間で勉強する方法がないものか」と考えている場合
短期集中のプログラミング学習サービスも存在します。

正直良し悪しは分かりませんが、この手のサービスは無料で体験~説明会まで参加できるものです。興味のある方は以下ご確認ください。

プランナー志望の場合

プランナー志望が提出するべきゲーム企画書というのは、正直個人で勉強するのが難しいと思うんですよね。。。

心理的な思考や書面のデザイン能力、伝達能力など様々なスキルが必要なため、個人でも勉強できるとは言え指導者に見てもらう方が遥かに早いです。
企画の仕事って、実績のある方でも意見が分かれるくらいに明確な正解や答えというものが無い為、ネットで調べて勉強しても前に進んでいるかがわかりづらいんですよ。

もしゲームのデザインについて書籍で学ぶのであれば、任天堂の元企画スタッフが書かれた「ついやってしまう体験のつくりかた」という本がお勧めです。こちらは買って読みました。

ゲーム業界に勤めている人間からしたら、有名だったり基礎と感じたりする話も多いのですが、そんな話がまとまっているのだから業界志望者には絶対刺さるはず。プログラマーやデザイナーなど他業種すら読んでいるくらいですからね。
マリオやドラゴンクエストなど有名タイトルの設計を例に出しながら、体験の与え方を丁寧に教えてくれます

「ついやってしまう」体験のつくりかた 商品紹介ページ

また、応募作品向きと言える “ページが少ない企画書” の参考にするのであれば。
毎年CEDECというゲーム業界カンファレンスで実施されている “PERACON(ペラコン)” というコンテストのサイトを見てみて下さい。
プロ・アマがお題に沿って一枚企画書を作り、順位付けされるというシビれる場所です。

PERACON2020 結果ページ

上記の上位入賞者の一枚企画書を見ながら、

  • 企画の面白さ、わかりやすさ
  • デザインの見やすさ
  • 内容の伝わりやすさ

などについて、自身でしっかりと分析しましょう。

もしくは企画志望の場合、アナログゲームを作ってゲームマーケットで販売するという実績の作り方も良いのでは。
作ってイベントでしっかり売れたカードゲーム・ボードゲームを面接に持っていければ、目を引く事間違いなしです

ボードゲーム制作についても、良い時に別記事でまとめますかね。
 

デザイナー志望の場合

デザイナーの勉強法については、申し訳ありませんが私の知識として薄いのであまり言わないでおきます。申し訳ございません。

ただ別記事でも触れたことがあるのですが、デザイナーが依頼を受けて様々なイラスト、CGモデルなどを描く際
自分で目にしたことのないものは質感や見え方がおかしくなってしまうことがあります。
そのため日頃から様々な造形を目にして、質感・陰影・奥行など「どうしてそうなっているのか」「どうしてそう見えるのか」を注意深く観察しておくのが良いのかなと。
そしてデッサンなどの勉強を行い、提出しても恥ずかしくない作品を生み出してください。リアルなイラスト、SDキャラクタ、背景など対応力があることを伝えられるよう、多くの手法を学びましょう。
 

作品が揃ったら行動

上の項目で転職支援サイトを紹介していますが、慎重に確実に行きたいという方は、勉強し作品を準備してから転職支援サイトに登録するのも良いと思います。
落ちた後に再応募禁止という会社は基本無いはずですが、焦らないのであれば力をつけて損はないです。(再応募OKとする期間は、会社によって判断が異なります)

個人で勉強する‥‥と一言で言うのは簡単ですが、非常に難しいものです。
勉強が難しいのは勿論、個人でモチベーションを維持するのが大変だと思います。

そんなわけで、最後は環境から変えてしまう方法を紹介します。
 

ゲーム専門学校を経由する

金銭面など考えると一番大変かもしれませんが、その代わり一番業界へ入る可能性が高くなる手段。それが専門学校に通うことです。
個人で勉強する難しさ、大変さが一気に解消に近づきます。

ただ嘘記事を書くのは嫌なのでハッキリ言いますと、専門学校に通っていても一定数の生徒は就職できずに卒業します。
その中には、「会社勤めだったがゲーム業界に行きたくて学校に入った」という人もいます。私は毎年専門学校で学生を見ていますが、就職できずに終わる人が毎年いるんですね。

ただ私の知っている範囲であれば、専門学校経由でゲーム業界に入れた人もたくさん知っています
社会人経験を勉強と就職活動に活かせるなら、それは明確な武器になりますからね。学生は面接で躓くことも多いですが、社会人として対人のやり取りを行っていた人であれば、面接もしっかりこなせるかもしれません。

以前の記事でも書いていますが、結局は自身の努力ですからね。

ゲームの専門学校は沢山ありますが、どこもパンフレットなどの資料請求やプレスクール系のイベント参加は無料です。
学校によっては働きながら通える短時間コースもあるので、とりあえずホームページからチェックするのも良いと思います。
 

誰にでもチャンスはあるが、楽な道は無い

転職支援会社を使う道も、独学で勉強する道も、専門学校を使う道も。それぞれ違った難しさがあり、どれも決して容易ではありません。

ですが、この記事に辿り着いた人は
今の仕事に満足していなかったり、ゲーム開発という仕事に未練があったりしているのだと思います。

自分の作ったものを楽しんで遊んでくれる。ネット上やリアルで話題にしてくれるのを目にできる。私はやりがいしか感じない中で、日々の仕事を楽しんでいます。
もし業界に入りたいという強い気持ちを持つ方がいれば応援しますので、後悔はしないよう頑張ってください。
 

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