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開発者から見たゲーム系の専門学校~就職メリットとデメリット・簡単比較【2020年】

2020 10/28
開発者から見たゲーム系の専門学校~就職メリットとデメリット・簡単比較【2020年】

今回は、ゲームクリエイターを目指す若者達、
そしてその御両親がとても気にするであろう『ゲームクリエイター系専門学校 』に関してのお話です。

このサイトの『はじめに』にも記載していますが、私は専門学校から業界に就職し
今でも学校で臨時講師を担当させて頂くなど、現在の学校について知っている方だと思います。
そんな自分だからこそ伝えていける話もあるはずなので、少しずつにはなるでしょうがこのブログに載せていきます。
 

あと、学校には「認可校」「無認可校」というものがあり、無認可校は本来専門学校という括りで呼べないのですが
この業界でそんな呼び方を気にしている人に出会ったことはないので、
まとめて【専門学校】と呼ぶことにします。

認可については、詳細が長くなるのでお調べ頂けると幸いですが
簡単に言うと、公的に認定を受けているかどうかの違いです。
認可校の方が得られるサポート(ゲーム関係なく)はちょっと多く、認可校として学校がやらなければならないこともあります。
ただし無認可だからと就職に影響するわけでは無いので、学校の魅力で考えるのが良いと思います。
専門学校って無認可校の方が多いですしね。

今回は、

1.専門学校とはどういう場所なのか
2.専門学校はどう選べば良いのか
3.就職には有利なのか
4.専門学校特有の繋がり
5.大学でのゲーム学習

上記についてお話していきたいと思います。

ただ1点、先に申し上げておきますと
私が内情を詳しく知っているのは一つの学校のみで、他は関係者にお話を聞く程度ですので
知識には偏りが生まれます。
このお話が全てではないことを念頭に置き、参考として頂ければ幸いです。
 

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目次

ゲームの専門学校ってどんなところ?

専門学校では、ゲーム開発に関わること、就職に必要なことを重点的に数年間学びます。2年制のコースが多いですね。
昔はゲームのことしか学ばず、入学資格も高卒以上だったりと言うのが殆どだったと記憶しておりますが(自分の中で)
最近では高校、大学の一般教養を学びつつゲームについて学べる専門学校も出てきていますね。
時代の流れでしょうか。それを言うと e-Sports に関するコースなんて言うのも一部設立しています。

とりあえず、都内の専門学校を見てみましょう。
沢山あるので、今回はゲーム系をメインとした学校の中から
名前をよく聞くところをいくつか挙げることにします。※2020年1月現在の情報

ちなみに各校の売りなどはホームページからもってきた内容です。
全ては書ききれず、どうしてもこちらで文章を整えざるを得ないため、細かな部分が気になる方はホームページへどうぞ。
体験入学や資料請求は無料なので、気になる学校の資料をとりあえず請求してみるのも良いかと思います。
 

アミューズメントメディア総合学院

・学院と卒業生、在校生が共に作品を制作
・AMGグループというエンタメ事業組織との連携
・専任スタッフが一人ひとりにあわせて徹底指導
・卒業後も学院がバックアップ
・業界の現役プロ講師が指導

・無認可校

卒業生と在校生がともに作品を制作、というのは昔から継続していますね。ノウハウは溜まっているのではないでしょうか。
ホームページは、東京校と大阪校それぞれ以下からどうぞ。
 
東京校はコチラ

 

大阪校はコチラ

バンタンゲームアカデミー

・現役プロ講師100%
・制作実習中心、多くのチーム制作を実施
・少人数のクラスで個々のレベルに合わせた指導
・企業連携カリキュラム
・オンライン授業動画システム
・高等部(高卒資格)、大学部(大卒資格)、週三日のWSコースが存在
・KADOKAWAグループ

・無認可校

ホームページでのアピール内容が多いですね。
働きながら通えるコースがあったり、自分のやりたいことや学び方がマッチすれば良いかも知れません。

ホームページ:

バンタンゲームアカデミー 高等部 - ゲーム・イラスト・CG・eスポーツの高校【東京・大阪・名古屋・福岡】
バンタンゲームアカデミー高等部│バンタンゲームアカデミー 高等部 - ゲーム・イラスト・CG・eスポーツの高...
バンタンゲームアカデミー高等部│バンタンゲームアカデミー 高等部 - ゲーム・イラスト・CG・eスポーツの高...バンタンゲームアカデミー高等部【高等部】ゲーム・イラスト・eスポーツ・キャラクターデザイン・CGの高校*【バンタンゲームアカデミー高等部】(東京・大阪・名古屋・福岡...

バンタンも大阪校がありますね。URLは上記共通です。
  

HAL

・業界トップランナーの直接指導
・企業やプロと連携したプロジェクト
・職業実践専門課程 認定校
・完全就職保証制度
・国家資格の合格保証制度
・生涯バックアップ

認可校

やってきました認可校。学校の規模は大きそうですね。
「保証って何を保証してくれるの?」というのは書かれていないので、直接聞くほかなさそうです。
あと、都内の有名な専門学校では一番アクセスが良いと思います。

ホームページ

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HALは東京以外に、大阪と名古屋、そしてなんとパリにキャンパスを構えています。
上記URLから、行きたい学校を選びましょう。
  

専門学校東京クールジャパン
(旧: 東京ネットウェイブ )

・校内で業界の流れを再現、実践的にチーム制作を学べる。
・企業と共同でプロジェクトを体験
・学生と企業がつながる「キャリアラウンジ」

認可校

こちらも認可校ですね。
2019年、「東京ネットウェイブ」という学校名から新しくなりました。
ホームページで学部別の時間割を見てもわかるように、実習の割合が非常に高いようです。

ホームページ

http://www.tnw.ac.jp/

 

ヒューマンアカデミー

・ゲーム企業との連携
・全国16か所に校舎がありネットワークが広い
・ゲーム合宿という就職の為の大規模イベント
・ヒューマンアカデミー主催の就職フェスタ
・他専攻の授業を受け放題

・無認可校

多くの学校は全国に分校がありますが、ここは国内に16校も。
地方のゲーム会社とのコネクションもあるのか、就職イベントは規模の大きいものが多そうですね。

ホームページ

【ゲーム専門の学校】| 総合学園ヒューマンアカデミー
【ゲーム専門の学校】| 総合学園ヒューマンアカデミー
【ゲーム専門の学校】| 総合学園ヒューマンアカデミーゲーム専門の学校なら企業連携が強く実践型カリキュラムのヒューマンアカデミーへ。全国14校舎で展開するメリットを活かした就職ネットワークでゲーム会社への就職を実現。

ヒューマンアカデミーにはなんと
札幌/仙台/大宮/柏/秋葉原/横浜/静岡/名古屋/京都/大阪/神戸/広島/福岡/鹿児島/那覇
合計16校のキャンパスが!
場所は固まり気味とはいえ、他の学校よりは実家から通いやすい方も多いのでは?
 

気になったら資料請求してみよう

有名な学校を5校ほど挙げてみました。如何でしょう。
資料請求や体験系は無料なので、気になった学校があれば申し込んでみるのが良いと思います。
 

学科は学校によって様々ですが、分類の仕方が違うだけで、学校で学ぶ基礎について大きな違いはないはずです。
また紹介としてよく挙がっているチーム制作や企業との交流は、どこでも行われるでしょう。
授業でわかりやすい違いが出るなら、「A校はチーム制作重視、B校は企業連携重視」というような重みの差などですね。

大事なのは教えて下さる講師だったりもしますからね‥‥講師は入れ替わりもあるので判断が難しいところ。
現役講師の方がハズレ(言い方悪いな)率は低いかなぁ。

大きな区別としては、一部学校の通信制や高等部、大学部と言った学び方の面でしょうか。
また認可校の場合、「認可校である」条件を満たし続けるため出席などに厳しくなるのはあると思います。
サボりたがる人に厳しいかどうかが、自分の成長に関係あるかは別ですけどね。
 

結局、どう専門学校を選べば良いの?オススメってあるの?

こんな風に都内の学校を比較しておいてアレですが、「絶対にこの学校が良い!」なんてものは無いんじゃないかというのが個人的な意見です。
当然私は全てを知っているわけではないので、細かな違いを把握しているわけでもないですが
専門出身の友人たちと話していると、大体どこの学校も、良い面がある反面不満も挙がるものです。
講師やスタッフ、学校の環境など、学校が実施するサービスには月日の経過による変動があるわけで
人によっては相性もあると思いますしね。

じゃあどうやって選ぶのか。
納得して選びたい、という場合のベストとしては、オープンキャンパスなどのイベントを利用しましょう
 

可能なら自分の目で学校を見よう

じゃあどうやって選べば良いのか‥‥。
どこも体験入学やオープンキャンパスなどのイベントを頻繁に行っていますので
学校から遠くにお住いの方は大変かもしれませんが、まずは自分の目で学校を見て考えましょう。
その場所の空気に触れ、学生の熱意を感じ、そしてスタッフと顔を見て話せるというのが大きいです。
自身との相性もそうですし、自分で考えて決めてこそやる気が出ますよね。

あとは短時間の間に、スタッフさんと生徒の雰囲気を見られればラッキーです。
仲が良いのは当然良いことなのですが、仲が良すぎて生徒がスタッフを友達のように扱ったり
悪いことをしていてもスタッフが叱らないなどあるようなら、個人的に良い環境ではないと考えます。

決してツイッターなど、ネットの意見を全て鵜呑みにしないでください。
有用な意見も中にはあると思いますが、見知らぬ人間一人や二人の意見に、学校選択という自分の人生を流されたくないでしょう?
ですのでこの記事も参考にはして頂きつつ、自分の考えを持った上で第一歩を踏み出して欲しいと思っています。
 

結局大事なのは自分の努力

どこの学校の講師もプロです(多分)。どこの学校も実績があります。
ゲーム業界に就職できるかどうかは学校に委ねるのではなく、自分で勝ち取るものです。

「この学校なら100%就職できるらしい」
「ここなら自分みたいな人間でも何とかしてくれるかな」

という考えでは失敗しかねないので、考え方を改めましょう。
 

ゲームの専門学校は就職に有利なの?

こういう記事を見る方が一番気にしているのは、これなのではないですかね?
結論から言うと、
「業界に入るチャンスは多いが、大卒との比較時に有利になるわけではない」
という感じです。
 

“チャンスの多さ”という就職メリット

専門学校も大学も、各社の募集が始まった際に自分たちで説明会に参加したり
書類選考に応募するのは変わりません。
ただ専門学校であれば、様々なチャンスが大学より多いと思われます。いくつか挙げてみますと
 

・就活イベントとして企業が学校向けの人材募集を行い、そこで評価されれば就職できる
・一般募集をしていない企業も、専門学校に対して小規模の募集を行うことがある
・講師陣もプロなので、紹介してもらえる可能性がある
・学内の発表会などにプロの人間が来校し、名前を憶えてもらえる可能性がある
・学校にOBが遊びに来ることもあるので、講師同様紹介の可能性がある

など。
つまりは「専門学校と企業のつながりを活かせ」って話ですね。
普通の大学でもあり得ない話ではないですが、間違いなく機会はこちらの方が多いです。
 ※少数ながらゲーム学部のある大学も存在します
 

“道が狭まる”就職デメリット

業界に入りたいという話では、基本的に専門学校に悪い部分はないと思います。
ただ例外もありまして・・・会社によっては大卒限定で募集をかけたり、
採用試験で行うSPI(一般教養などが出題される適性検査)で大学の授業内容を出題したりと
専門学校生には厳しいシーンもあるんですね。大手の方がこの傾向は強いです。
ただこれは一部ですし、採用年によっても変化するので気にしすぎても仕方ないかと。

あとは単純に、ゲーム業界へ行くための専門学校なので
その他の道を考えた時に就職が大変ということでしょうか。
付いていけずに離脱してしまったり、卒業までに就職できない生徒も少なからずいます。

今あなたが、「学生の島」にいるとしましょう。
あなたは、周囲に色々と存在する「社会人の島」に向かう手段を考えているところです。

今いる学生の島から飛び出していくにあたって、『ゲーム業界の島』へ向かう為の橋は準備・補強されますが
その他の『○○業界の島』へ向かう色々な橋は、どんどん崩落していくわけですね。
脅しているわけではないですが、お金を出してくれるご両親としっかり話し合い考えましょう。
 

専門学校特有の繋がり

専門学校の良いところに、『学校という場所を軸に業界の繋がりが出来る』ことが挙げられます。
これは上記でお話しした就職時のメリットだけではなく
卒業するだけで、気のおけるゲーム業界の仲間がたくさんできる!ということの大きさです。

就職したら大変なことや文句を言いたいことが何度も襲い掛かります。
でも仲間たちに愚痴をこぼしたり、相談に乗ってもらい解決策が見つかれば

心が楽になり、そして成長して前へ進めます。

ゲームのリリース時や自分の仕事がユーザーに喜ばれた時は
仲間たちが一緒に喜び、祝ってくれます。

仕事以外でゲームについて学ぶ機会が減りそうな時も
仲間とゲームについて考察したり、仕事とは別にゲーム制作を行ったりして
知識・経験が増えていきます。

自分に対する甘えが出てしまった時
仲間が仕事に役立つ勉強を進めていたり、努力の結果重要なポジションで仕事をしていると
自分自身も「頑張ろう!」という気持ちにさせられます。

ポエム風に書いてみましたが大真面目です(笑)
会社内でも仲の良い友人は出来るでしょうが、小さな会社だと同世代がいないこともあり得ますし
そもそも同じ会社の相手には言いづらいこともあるはず。
気心が知れていて業界のこともわかる・・・そんな友人がとても大きな存在になると思います。

また、同世代だけではなく他の世代のOBとも仲良しの輪が広まっていくんですね。
業界内の転職も多いゲーム業界、とても世間は狭く
OB同士が繋がっているなんてよくある話です。
OBが集まって同窓会やゲーム会などやっていると、繋がりがどんどん拡大していきます。

こういった繋がりは、開発や業界の話を行えるだけではなく
いざ自分が「今の会社を辞めて他の会社に行きたい!」と思った時にも(仮にね、仮に)
この繋がりから紹介に進んだりするわけです。

就職後でもイベント参加などで業界の知り合いは増やせますが
共通の話題があり、信頼し合って集まっている仲間というのは希少なのです。
 

大学のゲーム学習について

大学でのゲーム学習というのは昔からありますが、近年は規模も拡大してきており
数は少ないものの、ゲーム専門の学部をもっている大学もあります。

例えば東京ゲームショウ2019では、ゲームスクールコーナーの中で

・日本工学院/東京工科大学
・尚美学園大学
・大阪電気通信大学
・東京情報大学
・湘北短期大学
・北海道情報大学
・神奈川工科大学
・文教大学
・愛知工業大学

これだけの大学から、学生チームが出展を行っていました。

私は大学でゲームを学んだ経験がないため、比較は行えませんが
ここまでにお話ししてきた、大学だからこその進路の幅広さなどはメリットとして挙げられることでしょう。
基礎的な知識量も、専門学生よりは高いとして見られると思います。

ちなみに、就職時に「専門学生だから」「大学生だから」と言った理由で決まることは中々ないですし
(学生の比較を行う際、基礎学力などが参考情報になることもありますが)
ゲームが全く関係ない学科から就職している人もたくさん知っています。
大学で美術を学び、デザイナーとして就職した人は個人的に多く見てますね。

家の近くに専門学校が無い。ゲーム一本に進路を絞るか悩んでいる。
こういった悩みのある方は、一度大学に目を向けてみるのも良いかと思います。
様々なパターンを洗い出して、じっくり自身の行く先を考えましょう。

どんな大学があるか気になったら、『大学 ゲーム学科』というような単語で検索してみてください。
 

最後に

細かな授業内容などを知りたい方もいるかも知れませんが
一度ここで締めたいと思います。

少しでもお役に立ったでしょうか?
繰り返しの発言になりますが、ゲームクリエイターになりたいと考えている人たちは
ネットで誰だかわからない人の意見を鵜呑みにせず、自分とご両親とでしっかりと『やりたいこと、進みたい道』について熟考し
悔いの無いよう進路を決めてくださいね。

もし記事としてまとめて欲しいことなどあればコメントください。
ではー。

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