という宣伝によって生まれる悲劇を、あなた方はご存じだろうか。デバッグ会社はいい加減にしろ。
っていうお話です。
ゲーム開発者の文句的なやつ。
劣化するデバッグ会社のデバッグ精度と作業能力
デバッグ会社のバイト募集広告は、ゲームが好きな方なら少しは目にしたことがあるのではないでしょうか。
実際にやるわけではないにせよ、
ゲームで遊びつつお金がもらえるなら最高じゃね?
みたいに思ったことはあるのでは。
学生たちがそう思っちゃうことは悪く無いです。
しかし本来デバッグ作業というのは、ゲーム開発に関する知識や集中力、コミュニケーション能力など様々な能力を求められるものなんですよね。
そんなところに、こき使う為のバイトを募集したいからと言って遊び気分のバイトを募集すると
当然優秀とは言えない人、やる気のない人も入ってきます。
ゲーム産業は昔に比べ拡大しているため、デバッガーの需要も高まり、使えないアルバイトの数もどんどん増加するわけで。
なんでこんなバグが見つからずにリリースされてるんだよ!
という状況に遭遇したことがあるかもしれませんが、これは開発会社の責任も当然ありつつ、デバッグ会社を信用した結果起きてしまった悲劇ということも多いです。
ゲームに関わらずプログラムの経験者であればわかるかもしれませんが、最初からバグを出さない大規模プログラムなんて天才でも組めないので
どうしてもデバッグ頼りにはなってしまいます。
デバッガーさんの働きは、ゲームの未来を左右することもある重要な役割なのです。
デバッグ作業者の業務
開発チームからデバッグ会社には、期間と作業人数についてスケジュールの相談と依頼を行います。
重要な検証ポイントが発生した場合、1日などの短い単位で人数を増やすなども良くある話です。
よくあるパターンとしては、デバッグチーム側にも管理リーダーがおり
その人が中心となって開発側とやり取りを行い、各作業員に指示を出す座組ですね。
一つのプロジェクト管理ページに開発スタッフやデバッグチーム全体がアクセスできるようにして、開発進捗や不具合の確認と報告、改善対応などのやり取りを行います。
デバッグの作業は
- 普通にゲーム全体をプレイしつつ、問題を見つけたら報告
- 開発側から仕様書(設計図のようなもの)をもらい、そこに書かれた通りの挙動になっているか確認
- 開発側の「ここを見てほしい」「〇〇な操作を試してみてほしい」と言った依頼の通りに操作して確認
- 報告した不具合が対応されたら、修正が問題なく行われたかを確認
といったようなテストプレイをひたすら続けることになります。
ほぼ同じ操作を何度も何度も繰り返し、「実施回数〇回、不具合発生回数〇回」といった報告も行います。根気強さは必要です。
「壁にひたすらぶつかってすり抜けないかチェックする」みたいなエピソードは、漫画等で有名なので耳にしたこともあるかもしれませんね。
私も就職したてで慣れのためにデバッグを行っていた際、「3Dマップから外の空間に飛び出してしまうルートがないか」を頑張って探していました。
難しいアクションをこなし、マップの裏側の世界に行くルートを見つけた時はよっしゃーと口にしてしまっていましたが
どう考えても失礼な奴でした(笑)あの頃はごめんなさい。
デバッグ作業にはスキルが必要
概要しか書いていないので想像も難しいかも知れませんが、読んでみた方はどう感じましたか?
簡単だと思いましたか?
最低限の作業で良ければ確かに誰でもできますが、「人から必要とされるデバッガー」は、誰でもなれるものではありません。
コンビニのアルバイトなんかも、最低限の事だけ出来れば雇ってもらえるので 簡単だの誰でもできるだのと言われますが
全てのことをしっかりこなそうとすると、憶える事は多いですよね。そんな感じです。
プログラムの処理の基本だったり、データの構造だったりを理解できる人なら、不具合の発生しそうな場所を予測することができます。
仕事の効率化を図るのが得意な人は、無駄なく効率的にチェックを進行出来ます。
語彙力や文章力があったり、他人に物事を伝えるのが得意な人は、不具合とその状況などをうまく説明することができます。
またゲームが上手いというのも、テクニックが必要な個所のデバッグで役立ちますよね。
もっと言えば、単純作業の繰り返しになるので集中力がある方も活躍できます。
このように、デバッグ作業というのは、突き詰めると中々大変なお仕事なわけです。
お仕事を楽しむのは良いことなので、デバッグを楽しむことは問題ないと考えますが
重要な仕事であること、簡単に出来る仕事ではないことを理解して、遊び感覚ではダメだと意識して臨みましょう。
優秀なデバッガーの待遇は上げるべき
ここまで書いた通り、大変ですし重要なお仕事がデバッグです。
しかしデバッグ会社は安いアルバイトを集めたり、ゲーム会社に出向させるレベルの方ですら、あまり待遇が良いとは言えません。
(私が知らないだけで、待遇が良い方もいるかもしれませんが‥‥)
また、開発中のゲームの数というのはどうしても流動的になるので
出社人数を調整しやすいアルバイトを用いるのも、当然ではあります。
ただ、それはそれとして。
いい仕事にはそれに見合った待遇を。
あの人ならしっかり不具合を見つけてくれるな、という信頼感をもらえる人材であれば、正社員として雇用し、お給料も上げてあげて
“一流のデバッガー”として生きていく人が業界にたくさん現れるようになったら良いな。と思っています。