昔から、「将来の夢はゲームクリエイター」と言ってくださる子供たちは多く
人気職業ランキングでも、最近は少し落ち気味ですが10位以内に入る集計を多く見かけます。
ただ、こういうランキングにありがちですが
「ゲームが好きだから」「楽しそうだから」という理由で憧れている子供たちもきっと多いことでしょう。
しかし当然そんなに甘い世界ではないですし、就職活動の時点でも明暗がくっきり分かれるんですよね。
本気でゲーム業界に入りたい子たちが、就職活動を始める時点で一歩リードするため
早いうちから心がけておくべき考え方、取り組んでおくと良いことをお伝えしたいと思います。
大事なのは意識の面なので、勉強が苦手でもすぐに取り掛かれますよ。
“楽しむ”のではなく“楽しんでもらう”。他人の気持ちになろう
ゲームを作っていくのはとても楽しいですよ。
自分たちで考えたものが少しずつ形になっていき、世の中に出た時の達成感と
ユーザーさんたちが楽しんでくれているのを見た喜びは何物にも代えられません。
ですが、ゲーム開発は「楽しいから」行うものではありません。「ユーザーを楽しませるため」に行うのです。
そこがズレてしまってはいけないわけです。
- このゲームが一番ユーザーに与えたい楽しみは何なのか
- その楽しみを与えるには、どういう機能を実装するのが良いのか
- ユーザーの立場で考えたらどう感じるか
などなど、常にユーザー目線を意識することが重要になります。
自分本位の考え方が染みついたまま成長してしまうと、考え方を切り替えるのは中々に難しいもの。
そのため、若いうちから「相手の気持ちになって考える」ことを意識して日常を過ごしていきましょう。
人にやさしく。
主に企画職が気にすることですが、プログラマーやデザイナーも大事にすべき考え方です。
“これはどうして?” 物事の理由を考える意識を持とう
相手の気持ちになるという話に近いですが
「物事には必ず理由がある。考える力や想像力を身に着けよう」
というお話です。
どんな人気ゲームだって、100人が100人大満足ということにはなりません。
それは、ゲームにはターゲットがあり、そのターゲットに向けた機能の積み重ねになっていることや
人の趣味嗜好にはどうしてもバラつきがあるからです。
遊んでいるゲームに不満がある人が、
なんでこんな仕様(システム)なんだ!
「〇〇した方が絶対いい!」
などと口にすることはよくあることですよね。
実際、仕様面で失敗してしまうのは、人気のゲームでもあり得ることです。
とは言え、個人の好みで好き勝手に語ってしまう人が多いのもまた事実。
一つ一つの仕様はしっかり理由をもった上で実装されており、全てユーザーの言うとおりにしていては失敗しちゃうんですね。
マジック・ザ・ギャザリングの開発の方の名言(?)に、こんなものがあります。
「ファンは問題を探り当てる達人だが,解決法はロクなものを提供してくれない」。
※引用:Mark Rosewater 氏 20の教訓
確かに、と思う方もいるのではないでしょうか。
ユーザーが各機能の実装意図を当てるなんてのは難しいですが
ここで「この機能はこういう理由でこうなったのかな?」と考えてみましょう。考えるだけでも楽しいですし、第三者視点で考えるトレーニングにもなります。
またゲームに限らず、身近なものの理由を考えてみるのも良いですよ。
作られたものの多くには、何かしらの意図/理由があったりするものなので
横断歩道は何故縞模様なの?
鳶職人のズボンは何故ダボダボで大きいの?
あの映画のストーリーは批判が多いけど、監督はどういう意図があったんだろう?
などなど、目についた色々なものについて、意識的に興味を持ち
深く考えていくと良いでしょう。
ゲーム業界関係なく、物事について様々な目線から考えられる人間になりますよ。
細かい意図が無く作られたゲームが、芯もなく枝葉も飾られていない作品となって生まれてしまいます。
昔パズル&ドラゴンズのパクリゲームが大量に世に出てきたのですが、目に見える部分を考えなしに真似しただけだったり、本家の実装意図を汲み取れずに間違ったオリジナリティを出そうとした結果
どれもこれもすぐに消えていきました。
ユーザーが簡単には気付かないような細かい要素の積み重ねが、楽しさに引き込む重要なポイントになるのです。
プログラマーにも大事な、論理的に考える思考を身に着けよう
上でお話した「理由を考える」というのは、「論理的思考を持つ」という意味では
ゲームプログラマーとしてプログラムを組む上でも重要になってきます。
目標とする動きを実装するためには、どのような処理を組み合わせれば良いのか。
一つ一つの命令文がどのような意味を持ち、どういう流れで現在のゲーム挙動が発生しているのかを理解しなければなりません。
今の時代「ビジュアルプログラミング」という、イラストや図をつなげてプログラミングの基礎を学べるツールが広まってきているので、無料で遊べるものを体験してみるのも良いと思いますよ。
色々ありますが、文部科学省が公開している「プログラミン」というサイトのURLを貼っておきます。
論理的思考、つまり「筋道を立てて物事を論理的に話し、説明できる力」を身に着けるには、常に論点を意識し
その論点の解決法を意識するのが大事ですよ。
ここで語りつくすのは難しいので、少しずつでも本やネットで勉強してみて下さい。
またゲームプログラマーは数学や物理学の知識が自分の実装能力に関わってくるので
学校の授業ではしっかり学んでおきましょう。
デザイナーは様々なモノを観察していこう
グラフィックデザイナーは、分類すると様々な種別が存在しますが
共通して役立つ、学生のうちから簡単に意識できることは「観察」だと思います。
ゲームの世界に様々なモノを描くにあたり、写真などを参考にするだけではイメージが掴みきれなかったりします。
質感や光の当たり方、色味、そこに“在る”感じさせ方。
天気など環境による変化。人物の動きや筋肉のしなり。
イラストではなく3Dで制作する場合、特に実際に目にしてきた経験や知識が活かされるのです。
デッサンなど技術的なことも大変ですが、すぐに学べと言っても難しいと思いますので
まずはこういった意識付けを行ってみましょう。
専門学校について調べてみる
ゲーム業界に行くためには、大学以外にも専門学校という手があります。
まだそんな年齢じゃないよ~という方も、早い段階で学校のことを調べながら、将来についてご両親と考えてみるのも良いと思います。
学校によっては高校学部があったりもしますよ。まぁ個人的には、高校は普通の学校に通うべきだと考えますが‥‥プロスポーツでもないですし、大卒より高卒の若者が欲しいという考えにもならないので。。。
以前の記事で専門学校を紹介しているので、興味があればご覧ください。
上の記事にも書いていますが、どの学校も無料でパンフレットの請求が可能です。来年入学する、というわけでは無くとも、資料は頂けるはずですよ。
(以下はアミューズメントメディア総合学院の公式サイト)
小学生の頃から好きだった、モノづくり
私は、小学校2年生くらいの時点で「将来はゲームクリエイターになるんだ!」と思うようになりました。自慢ではないですが、夢をかなえた形になります。
きっかけは、買ってもらったゲーム機と面白いゲーム。
こんなに面白いんだと子供心に感動し、自分も誰かを楽しませたいと強く感じたんですね。
そんな私は当時から、工作などのモノづくりが大好きで
図工の時間などはヒーローでした。
また自由帳にゲームを作り、休み時間には友人に遊んでもらうのが日課になるなど
「何かを作って楽しんでもらう」ことを子供心に実行していました。
同じことをやれという話ではないのですが、私がある程度業界で結果を出しながら、仕事を楽しむことができているのは
この頃からの染みついた意識のおかげかもな、と少しだけ思ったりします。
誰かに楽しんでもらえるのって、本当に嬉しいんですよね。
さいごに:少しずつ考え方を変えてみよう
ここまで意識面の話を続けてきましたが、どうでしょうか。
難しく感じましたか?
考え方はすぐに変えられるものではありません。
ですが逆に言えば、早い段階で意識付けを行うことが出来れば、それは身体に染みついて資産となります。
ゲームを遊んでいる時。面白いものや気になるものを見かけた時。
その物事に隠された意味を考えてみましょう。
そして、他人の気持ちになって考える事を強く心がけてください。
気になることがあればコメントなどどうぞ。
またココナラというサイトで電話相談も受け付けておりますので、ゲーム業界に興味がある学生さんやそのご両親など、お気軽にご連絡くださいませ。